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わかったつもりでいたけれどほんとうはわからなかったこと。

読書。独学ヨガ。ミニマリズム。わからないことだらけ。

相手を傷つけない別れなどこの世に存在しない 「縁の切り方」中川淳一郎著

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「煩わしい人間関係を断捨離して身軽になりましょう」

そんなスタイリッシュなノウハウ本を想像して読んだんですけど、ぜんぜんちがいました・・・。
 
   ハウツーではなく、著者本人がビジネス人生を歩むなかで経験した出会いと別れが、生々しいリアリティーをもって書かれています。
 
   ここぞというところでズバズバと縁を切っていきます。
 
   読んでいたら、昔「お金がない!」というドラマで、織田裕二が企業で成り上がる一方、家族や友人への親しみを失っていく様を思い出しました。なんとなく。
 
  
 著者自身は「人間関係はできるだけ切らないほうが良いし、永遠に仲良くできるならそれが1番」とも言っています。
   しかし、これ以上付き合えば、自分が搾取され続けるだけで、磨り減ってしまうような(それ以外の大事な人間関係まで壊してしまうような)相手にたいしては、これからの己の人生のために、誠意と覚悟をもって、容赦なく縁を切らなけらばならないと主張します。
  
 本書では、実際に縁を切る手法として、
 
①ブチ切れる
②丁寧に相手の非を述べる(メールや電話も可)
 
の二つを挙げています。
 正直言って僕は、①も②も「ストレートすぎるんじゃない?」と思います。
 
しかし一方で、
 
「相手を傷つけない別れなどこの世には存在しないし、自分が悪者扱いされても仕方ないのだと受け入れる覚悟をもって、縁を切らなければならない」
 
という著者の思いも伝わってきます。
 
 私事ですが、僕自身も数年前に十代から仲良くしていた友人と関係が悪化して、「付き合いをやめたい」と伝える機会がありました。
その時の僕は、友人を傷つけたくないのと、自分を正当化したいという感情だけが先立って、つまり、スマートに別れたいことばかり考えてしまって、
「いっしょにいるのが辛くなったから」という、極めてシンプルな言葉が口を出るまで、サイゼリアで丸3時間話し込んだ過去があります。
(ちなみにその友人とはひょんなとこから関係が戻り、今でも数か月に一度お茶して話す仲に戻りました・・・きっと二人とも若かったんでしょう)
 
   モノはその気になればかんたんに捨てれるけれど、人間関係はなかなかそうはいかないわけです。
 ゴミの日に、自治体のルールを守って出して「はいサヨナラ」とはいかない。生きた人間ですから。モノは捨ててしまえば自分の視界からは消えて無くなりますが、縁を切った相手は一人の人間として、どこか別の場所で人生を送るのです。そのあとは幸せになるかもしれないし、不幸になるかもしれない。知らんぷりしたくても、ついSNSで近況を見てしまうかもしれない。そういう痛みを引き受ける覚悟が必要なのだと思います。
 
 それでも、誰だってできれば後くされなく、前を向いて歩きだしたいと思います。
だからこそ縁を切るときは、変にオブラートに包むのではなく、「哀しみと愛の刃」(我ながらセンス疑う…)で、お互い思う存分斬り合うのもありなんじゃないかな、と思わせられる本でした。
 
 ただ、これも一方的過ぎると、ストーカーやらなんやらと、ややこしいことになったりするでしょう・・・リベンジポルノとかね。ここまでくるともう人間の所業じゃない。
「そもそもそんな相手とは出会わなければよかった」
という話になってしまいます。
モノだけでなく、人間関係もシンプルにしたいなと考えている方にはおすすめです。