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わかったつもりでいたけれどほんとうはわからなかったこと。

読書。独学ヨガ。ミニマリズム。わからないことだらけ。

スピッツ新曲「みなと」を聴いて思った事。

すごくインパクトがあるわけでもなく、派手なわけでもなく、メッセージ性があるわけでもない。

でもほんと、ただただ単純に、良い曲だなあと思いましたよ。

そして、聴きながら歌詞を追っていたら、

『これは3.11の地震津波で、大事な人を失ってしまい、後に残された人のことを歌ってるかもな』と思ってしまった。
なんでもかんでも震災に結びつけるのは嫌だし、全てではなく、あくまで曲の一面がそうだ、という話なんだけど。
 
勇気が出ないときもあり そして僕は港にいる
消えそうな綿雲の意味を考える
遠くに旅立った君の証拠も徐々にぼやけ始めて
目を閉じて0から100までやり直す     
スピッツ「みなと」より
 
 
震災を意識としたと思われる楽曲というのは、たくさんあるけれど、その大半が、「がんばれ」「負けるな」「一人じゃない」といった
「被災してない側から、被災した側へ手を差し伸べるスタンス」で作られてるように思う。
それで救われる人ももちろんいる。けれど、もし仮に僕自身が被災して、大事な人を失くして、途方に暮れていたとしたら、そういった「押しつけ感のある一方通行エール」にたいしては、「何がわかるんだよ。上から言ってんじゃねえ」と跳ね除けてしまうかもしれない。
 
「みなと」の詞には、目立ったエールやメッセージはない。
その代わりに、ただただ、被災した人々の心情を歌にしている(人によってそう聴くことができるように作られている)
 
だってですよ、もし自分の大切な人が津波で海にされわれて、帰らぬ人になってしまったと想像したとき、思い浮かぶのは、定期的に一人海に来て、その人のことを想いながら2時間でも3時間でもそこにつっ立ている自分の姿なんです。絶望して、日常生活の何もかもが手につかないと思う。
そして、そんな状況のとき、もし何かでこの曲を聴いたなら、
「あ、、わかってくれてる人がいる」と、ほんとうの意味で「自分は1人じゃない」という気持ちに、ほんの少しだけなれると思うんです。
 
だから「過度な自粛ムードは良くない」と言われてるけど、人の悲しみに共感できずしてどうするんだか、とも思うんですよね。自分が落ち込んでるとき、元気な人や、前に進んでる人を見るのは、僕の場合はけっこー辛いほうなんですけど。僕だけかな。
 
スピッツ草野マサムネさんは、以前何かのインタビューで「落ち込んでいてもスッと入ってくる音楽というのが世の中にはあって、自分もそういうものを作っていきたい」(というようなこと)を話していました。
 「元気の押し売りソング」が横行するなか、こういう曲をつくってくれるスピッツがいることに本当に安心するし、心からありがとうと言いたい。
 
 
ちなみに10年以上前のロッキンオンジャパンでのインタビューで草野さんが言った
『ご飯食べて、寝て、子孫残して…人間の生きる意味はその3つ以外にもあるんだと信じたい』みたいな言葉がとても印象に残ってる。たしかアルバム『8823』リリースのときのやつ。
和室に正座する草野さんがとても素敵だった↓
 

 
新アルバム『醒めない』も聴きました。
感想はこちら↓良かったらどうぞ。