わかったつもりでいたけれどほんとうはわからなかったこと。

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夏の終わりに聴きたくなる名曲 フジファブリック「若者のすべて」

夏が終わります。

夏特有の、ヒトの根源的な欲求(主に性欲)がそこら中で溢れて暴れまくってる感じが年々ツラくなってきた僕としましては、ギラギラした生命力が弱まり、秋に向かっていくこの季節が一年で一番好きです。

で、夏の終わりに聴きたい曲といえばこれしかないでしょう(独断)


フジファブリック - 若者のすべて

 この曲がすごいなーと思うところは、若者のすべて」というタイトリングそのものにあると思うのです(もちろん曲の内容も好きである)だって歌詞だけを見たらどう考えたって『最後の花火』とか『夏の終わり』とか『エンドレスサマー』というタイトルを付けるのが妥当だと思うじゃないですか(エンドレスサマーはどう考えてもダサイが)

そこを、あえて『若者のすべて』ですよ。歌詞には「若者」も「すべて」も、同タイトルのドラマに関連するワードも、一切出てこないにもかかわらず。

本編の内容とは一見関係ないような題名を付けられた作品って、すごく良いなあと思うのです。

 「時計仕掛けのオレンジ」「羊たちの沈黙ミスチルの「名もなき詩スピッツの「ロビンソン」「BLEACH」……。思いつくだけでもたくさんある。もちろん詳しく調べれば本編との関連性は見えてくると思うんだけど(ちなみにロビンソンはタイかどこかのデパートの名前から取ったらしくて、本当に100パーセント歌の内容とは関係ない。あとミスチル名もなき詩は、曲の最後の最後でこの「名もなき詩」をいつまでも君に捧ぐ、と歌ってるから違うか…)

 

タイトルが本編の内容とは一見関係なかったり、遠く解離している作品って、

タイトルと本編のあいだにある空白を、それぞれの受け手が妄想や想像で補完することで、その人にとってたった一つの作品になる可能性があるんじゃないかなー

などと思うのです。

 

個人的にこの曲については、「夏の終わり」=「若者だった頃のキラキラした時代の終わり」と喩えてるのかなと思います。最後の花火が毎年上がるたびに、失われたあの時代を、後悔と恥ずかしさとともになんとなく思い出してしまう。

もしも人生を四季に分けて、春夏秋冬と置き換えるなら、青春時代が幕を閉じた後は秋を迎え、ゆっくりと冬に、死に向かうのだと考えることもできる。それはある意味ツライことかもしれないけれど、初秋の切なさとか、初冬のひんやりした寂しさを、じっくり味わえる感性を得ることこそ、良い大人の、良い歳の重ね方なのかも。諦めとはちょっと違う感じで。落ち葉を踏みしめて歩くというかね。その足音を楽しんだりね。

どうにも世間には「夏にしがみつきたがるオッサン」が多いよなー。