わかったつもりでいたけれどほんとうはわからなかったこと。

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井上陽水の隠れた名曲「My House」がとにかくすごいので紹介します。

井上陽水「My House」という曲がありまして。

「少年時代」や「傘が無い」といった陽水を代表する国民的ヒットソングに比べれば全く知名度の無いマイナーな曲です。

…が、

この曲がすごいんですよ。初めて聴いたとき、僕は衝撃で脳ミソが吹っ飛びそうになりました。まずとにかく歌詞がヤバい(すごいとかヤバいとか自分の語彙力の無さに泣きそうになるけれど)とにかく歌詞だけでも見てほしいです。

以下、1番〜2番の歌詞。

俺はキャッチコピーだ
俺はキャッシュサービス
どこもここも住み家らしいわ
数の事はめまぐるしいわ
これがヒットメロディー
君はチャンスメーカー
誰もかれも疑わしいわ
次の唄は生み苦しいわ
風はゆれにゆれて
庭は猫の額 My House

俺の悲しみは Ma maman-
雪の白アリはわからんム

恋はマッシュポテトだ
恋は電子キャラメル
街の道に無知な人並
山羊の耳に盛り上げ製果
誰がミックジャガー
どこがチャイナタウンだ
海を越えたムラサキ電話
古い事は明治らしいわ
雨が降りに降れば
屋根がしぼむだけの My House

俺の悲しみは Ma maman-
雪の白アリはわからんム

最初からから最後までシュールでデタラメな日本語が羅列されるんだけど、下手な英詞の邦楽なんかよりめちゃくちゃカッコいい(最後の「わからんム」の「ム」なんて、完全に音の響きしか優先してない)

そして、意味不明な歌詞ではありながらも解釈の仕方によっては、

自分の音楽を金儲けの道具にする業界人たちや、あーだこーだと批評ばかりする外野にたいして、

「おれはおれの家で自然にまかせてやりたいようにやるから」

という強い反発心のようなものも感じます。

この曲で歌われる「My House」とはつまり、「がんじがらめの世の中で唯一残された、自分の思いどおりに出来る大切なテリトリー」なのかもしれない。

 陽水ご本人はこの歌詞についてインタビューで以下のように語っています。

この『My House』って曲は歌詞がいい加減な状態になっていて、レコーディングする時に「ちゃんとしなければな」ってデモテープを作ったんですよ。ネクタイをして、白いシャツを着て、ジャケットを着て、ハンカチもちゃんと忘れないようにして、靴は磨きましたか?っていうのが「ちゃんとした」っていう言い方なんですけど……ですから、普段着でもう「パジャマで寝っ転がって」みたいな状態の歌詞だったんですよね。デモテープの段階で。そして、本当のレコーディングで、「じゃあちゃんとしようか」とは思っていたんですけど、これはもう「ちゃんとした外出できるような形にするには3年ぐらいかかるよ」みたいなことになって(笑)「じゃあもうパジャマ姿でいっか。まあ一応花柄のパジャマで、良い花だし」なんて言いながら……(笑)

まさにパジャマ姿で寝惚けたままの「ちゃんとしてない」歌詞なんだけど、曲調はキレキレのロックチューンでそのギャップがたまらなく良い。気になった人は是非聞いて見てほしいです。30年以上前の曲。1981年。わたし生まれてないですよ。


「My House」 自作を語る

 ちなみに、この「My  House」も、後にちょっとだけ日の目を見ることになる。

200万枚を売り上げたベストアルバム『ゴールデンベスト』その陰でひっそりリリースされた『ゴールデンバッド』という陽水自ら選曲された裏ベスト盤。その二曲目に「My  House」は収録されている(表ベスト→『BEST』裏ベスト→『BAD』というタイトリングもすごくセンスいい)

井上陽水といえば『アジアの純真とかコーヒールンバとか、ほんわかしたイメージしかないな〜』という人にはぜひ一聴してほしいです。