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わかったつもりでいたけれどほんとうはわからなかったこと。

読書。独学ヨガ。ミニマリズム。わからないことだらけ。

「する」ことばかりに追われる僕たちにオススメの本「しない生活 煩悩を静める108のお稽古」小池龍之介著

本の感想

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東大を卒業して住職になり、鎌倉の月読寺と山口県の正現寺を行ったり来たりしながら、瞑想指導や坐禅指導、著書も多数。異色のお坊さん小池龍之介さんの著書。

僕たちはついつい毎日の生活の中で「〜する」ことばかりに追われて、それがいつのまにか「〜しなきゃ」に変わり、がんじがらめになってる。

僕なんて、休日だというのに、iPhoneのメモ帳にわざわざ「やることリスト」作ったりしてさ。

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「地味な休日だなー」という以前に、ヨガとかブログとか好きでやってることまでタスク化してるからどうしようもないですね。「今日のうちに全部終わらせなきゃ」と誰に頼まれたわけでもないミッションに追われてせかせかしてしまうわけです。そういうミッションクリアは仕事でやりゃあいいのにね。「俺、休日を有意義に過ごしてるぞー」という実感が欲しいんだろうな。我ながらくだらぬ。

 

本書では、あえて「しない」という生活を提唱してくれます。

①つながりすぎない

②イライラしない

③言い訳しない

④せかさない

⑤比べない

大きく5章に分かれてる。

 

複数の思考で心が混乱する理由は、私たちが「どの選択肢がより得か」を、計算したがる欲望にあります。けれども問題なのは、こうして考えをめぐりさせるとき、私たちは精神(と時間)を消耗して疲れてしまうということです。(22ページ【どちらが得かを迷うのは心にとっての損】より)

 接客しているとたまに「買い物するときは値札見ないようにしてるんです」というお客さんがいる。「ブルジョワか!」とツッコミたくなるんだけど、つまりは「すごく欲しい」と思った気持ちに対して正直なんだと思う。僕にはできないな〜と思いつつも少し羨ましい。金額を気にして、似たようなグレードを下げたものを買ったとしても、最初に感じた「すごく欲しい」という気持ちはないがしろにされたままになってしまう。

 

「ありえない!」という言葉に、ほんのり傲慢な響きが含まれているように思われる理由も見えてきます。なにせそれは、「起こるべきことと、起こるべきでないことは、全部、このワタクシの常識に沿って、決まるのである。他人と世界は、それに従いなさい」というニュアンスをはらむのですから。(80ページ【「ありえない」という否定語は傲慢で不寛容】より)

僕は関西出身なので中高生くらいの頃、めちゃくちゃ面白いことが起きたとき友達と「ありえへん〜!!」としょっちゅう言っていた。「ありえへんほどオモロイ」という意味で。けれど大人になった今、職場やプライベートのネガティブな場面で頻繁に「ありえねえよ」「ありえないんだけど」という言葉を聞くようになった気がする。仕事で凡ミスしたときに「そんな簡単なミスするとか、マジありえないわ」などと言われたらほんとうに何も言えなくなるよねー。「ありえない」という言葉の攻撃力、相手への制圧力、マジ半端ない。なるべく使わないようにしよう。使うときは腹抱えて笑うときが良い。 

 

脳は細かい変化(=無常)の世界を勝手に単純(=常)化して、現実を「自分にとって」の主観的な像に変えてしまうので、非常に非科学的な見方をする傾向にある。ひるがえって仏教は、脳に省略をやめさせ、ありのままに細かく分けて見る点において、科学的なものなのです。(150ページ「座禅瞑想で、鈍感になった脳をリセットする」より)

「これはこうだ!」と決めて短距離ダッシュする瞬間も必要なんだろうけどね。ただし、それが追い込まれて無理やりひねくり出した答えだったりすることもある。弱ってる時って「白か黒か」で考えがちだから。「仕事続けるのか?辞めるのか?」「別れるのか?付き合い続けるのか?」しまいにゃ「生きるのか?死ぬのか?」とか言い出してしまう。逆に頭が冴えている時というのは、何十通りもの選択肢を頭に思い浮かべられて、「どれが良いかな〜」と軽やかに思考できる。……と言いながら自分が今までそんな思考状態になれたことが果たしてあったかな、などと思い返すとこれまた皆無で凹むのだけど。

 

ひたすら修行に精進していた頃は、「静かなお気に入りカフェ」などというこざかしいものなど必要なく、どんな場所でも環境でも「ここが、今、心が静かになる場所」であり、仕事がはかどっていたことが思い起こされます。(196ページ【どんな環境でも今ここを「心が静かな場所」にする】より)

例えば「明日から三連休だー!」とウキウキで帰る電車の中なら、どれだけ帰宅ラッシュの満員電車でもみくちゃにされても静かな精神状態を保てる。これはただ単に余裕があるから。休み明け、会社に向かう通勤ラッシュはまあ無理ですね。ATフィールド全開。そもそも「落ち着ける場所はこことあそこで、落ち着ける時間はいついつで……」なんて決めつけちゃうのもマズイのかも。B’zの「さまよえる蒼い弾丸」の歌詞にある「無菌状態に慣れすぎみんなあちこち弱ってる」のように。

 

108の稽古が1ページに一個ずつなのでサクッと読めます。自分に必要なページは端っこ折っといて、たまに読み返すと良いかも。

よし、今度の休日は「やることリスト」でなく「しないことリスト」を 作ろう。